立地条件ナンバーワン【ビルズ】

立地条件ナンバーワンホテル

これだけ小さなホテルが、巨大ホテルに囲まれながらも、狭い所で頑張っている老舗ホテル。ほとんど接して建てられている隣のフラミンゴが 3,500室、すぐ向かい側のバリーズが 2,800室。そして斜め向かいのベラージオが 3900室。200室にも満たないこのホテルの存在意義はいったい何なのか。とにかくこのビルズを見ていると、「地上げ屋」的な買収に屈せず、よくこれまで頑張ってきたものだと感心させられる。
が、じつは、2007年 3月、所有権が大手カジノ運営企業 Harrah's Entertainment 社の手に渡り、このホテルの名称も Barbary Coast から Bill's に変わった。といっても、Harrah's 社に乗っ取られたというカタチでの所有権移転ではなく、このバーバリーコーストを所有していた Boyd 社と、Harrah's 社の双方の合意の元で、両社がそれぞれ持つ物件を交換するカタチでトレードが成立したというもので、友好的な所有権の移転だ。ちなみに 「Bill's」 は、Harrah's 社の創業者である Bill Harrah 氏にちなんで付けられた名称。

さて前置きが長くなってしまったが、このホテルのテーマは 「ビクトリア王朝」。自慢はステンドグラスで、「STAINED GLASS CAPITAL OF LAS VEGAS」 とも称されることがある。
したがって、このホテル内に存在する色の付いた看板やサインはすべてステンドグラス製だと思って間違いない。カジノ内の装飾は言うに及ばず、「エレベーター」、「駐車場」、「カジノ」、それにトイレの 「男性」、「女性」 といった各種看板はすべてステンドグラスだ。また、ネオンサインと平行して外壁を飾っている黄色いストライプもすべてステンドグラス製で、さらに客室のバルコニーにもそれぞれ小さなステンドグラスが飾られている。
マニアに言わせると、カジノの西側 (ストリップ大通り側) の壁に飾られている大きなステンドグラスは芸術的にも超一級の価値があるらしい。興味がある者はぜひ見てみるとよいだろう。

ステンドグラスもさることながら、ここのホテルの特徴はなんといってもその立地条件。こんな超一等地は他にあるまい。いくらバリーズやシーザーズパレス、それにベラージオがフォーコーナー (ラスベガスの中心といわれるラスベガス大通りとフラミンゴ通りの交差点) にあるといっても、それらの玄関はかなり奥まったところにあり、このビルズの便利さとはわけが違う。とにかくここは交差点まで歩いてゼロ分だ。
したがって、「場所さえよければホテルの規模などどうでもよい」 という人に絶対にお薦めのホテルといってようだろう。フォーコーナーにあまりにも近すぎて少々車の騒音が気になるかもしれないが、部屋の窓から眺めるベラージオの噴水やバリーズのイルミネーションなどはかなり幻想的で、決して泊まって後悔するようなホテルではないはずだ。

駐車場も使い勝手が非常によい。外から見るとこのホテルは客室部分が 8階建になっているかのように見えるが、じつは下半分はすべて駐車場だ。つまり客室は上の 4フロアだけということになる。したがって、上下の移動だけで駐車場から客室にアクセスできるようになっており、巨大ホテルのように駐車場から自分の部屋まで何百メートルも歩かされるというようなことは絶対にない。
ただし、エレベーターは 「駐車場と1階のカジノフロアを結ぶエレベーター」 と 「1階のカジノフロアと客室フロアを結ぶエレベーター」 がそれぞれ独立して存在しており、「駐車場と客室フロアを直接結ぶエレベーター」 は存在していない。ようするに 「一度は1階のカジノフロアを通ってください」 というわけだ (それでも乗り換えのために歩く距離はほとんどないに等しい)。少々面倒くさい気もするが、ホテルにとってカジノが重要な収入源である限り、ある程度それは仕方がないことだろう。

とにかく小さいながらも超一等地でよく頑張っているホテルで、このホテルを一言で表現するならば 「小さな巨人」 といったところか。だれが使っても非常に便利だが、駐車場が近いので、特にレンタカー利用者におすすめのホテルといってよいだろう。

Comments are closed.